数年前、私は「病院に行くことがほとんどないから必要ない」と考え、医療保険を解約しました。しかし、その後、意志とは無関係に2年連続で救急搬送される事態に直面し、医療保険の重要性を改めて実感しました。
ある日、突然倒れて救急搬送され、気が付くと病院のCTスキャンを受けている最中でした。「点滴を始めます」との声に反応し、「ブドウ糖はやめてください」と答えた記憶はあるものの、搬送中の記憶はほとんどありません。
このような経験を経て、予期せぬ医療費や入院時の経済的負担に備える必要性を強く感じ、再び医療保険に加入しました。
再加入後、日額保障だけでなく、入院一時金が支給される医療保険のありがたさを実感しました。この一時金があったことで、精神的にも経済的にも安心して治療に専念することができました。
高額療養費制度ではカバーされない費用
高額療養費制度は、医療費の自己負担額が一定の上限額を超えた場合、その超過分を補う仕組みです。しかし、保険適用外の費用や入院中の生活費についてはカバーされません。
カバーされない主な費用
差額ベッド代(個室代)
新潟県の主な病院では、1日あたり3,300円~18,260円程度の差額ベッド代が必要です。
入院中の食事代
一般所得者は、1食あたり460円(1日3食で1,380円)ですが、特別な食事などは自己負担です。
その他の雑費
病衣やタオルのレンタル代、テレビ・Wi-Fiの利用料、クリーニング代など。
先進医療や自由診療
ロボット手術などの先進医療技術料は保険適用外となり、全額自己負担です。
働けない期間の収入減少
特に個人事業主やフリーランスの方にとっては、働けない期間の収入減少が大きな問題になります。
がん保険と三大疾病保険の進化
【がん保険の比較】
10年前
支給頻度:2年に1回
上皮がんの保障:一時金の支給額が半額
通院治療:対象外の場合が多く、入院や手術が必要条件になることが一般的。
現在
支給頻度:再発や転移の場合、年1回の給付が可能に。
上皮がんの保障:一時金全額が支給される保険も増加。
通院治療:抗がん剤治療や放射線治療も対象となり、入院不要でも保障を受けられる。
【三大疾病保険の比較】
10年前
対象範囲:がん、心筋梗塞、脳卒中に限定。
支給条件:心筋梗塞と脳卒中は20日以上の入院や手術が必要という厳しい条件が一般的。
現在
対象範囲:がん、心疾患(狭心症や不整脈も含む)、脳血管疾患(くも膜下出血や脳梗塞も含む)と範囲が拡大。
支給条件:1日の入院でも給付対象となる保険が増加。
保障の柔軟性:軽症や初期段階でも給付金が支給されるケースが増えている。
お金に余裕がある人には不要?
医療保険は、経済的なリスクを軽減し、予期せぬ出費に備えるための有効な手段です。しかし、お金が潤沢にある人、例えば医療費や入院費用をすべて自己負担できるだけの資産を持つ方にとっては、必ずしも必要ではない場合もあります。
一方で、多くの人にとって、医療保険は「突然のリスクに備える安心を得るための投資」として非常に重要です。収入や生活状況に応じて、自分に適した保障内容を選ぶことが大切です。
約88種類から約1,000種類へ:手術給付金対象の進化
医療保険の手術給付金対象は、過去10年間で大きく進化しました。
約88種類の手術保険会社が独自に定めた主要な手術を大まかに分類し、まとめたものでした。実際には、これらの分類の中に複数の手術が含まれており、詳細に数えると約600種類程度に相当します。
約1,000種類の手術公的医療保険(健康保険)の適用対象となる手術すべてを指します。これには、日帰り手術や新しい医療技術を用いた手術も含まれ、幅広い手術が対象となっています。
対象手術が増加した背景
医療技術の進歩内視鏡手術やカテーテル治療、レーザー治療など、新しい医療技術の発展により、対象となる手術が拡大しました。
日帰り手術の増加入院を伴わない日帰り手術が一般的になり、これらも保険対象に加えられるようになりました。
公的医療保険との連動保険会社が公的医療保険の手術分類に合わせる動きが進み、対象範囲が拡大しました。
医療保険が果たす役割とその重要性
特に、仕事を持つ方や個人事業主にとっては、医療保険が働けない期間の収入減少や予期せぬ出費を補う役割を果たします。会社員の場合でも、病気やケガで休職すれば収入が減る可能性があり、医療保険が経済的リスクを軽減する支えとなります。
経験を活かして情報を共有したい
私自身、救急搬送や入院を経験したことで、医療保険の必要性を深く理解しました。この経験を活かし、多くの方に医療保険の重要性を伝えたいと思っています。ぜひこの機会に、保障内容を見直してみてください。
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